下剤を飲まない大腸内視鏡

内視鏡内科 消化器内科(胃腸内科)内科

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下剤を飲まない大腸内視鏡

下剤を飲まない大腸内視鏡

下剤を飲まずに大腸内視鏡ができるのはなぜ?

水浸法による無痛大腸内視鏡挿入

下剤を飲まずに大腸内視鏡ができるのはなぜでしょうか?その理由を説明します。
元々、胃内視鏡を含むすべての内視鏡装置には、水を通すルートが内蔵されています。このルートに水を流すことで胃の中の汚れている部位を洗浄することができます。また、組織を取る器具や止血器具、内視鏡用の電気メスを通すこともできます。下剤注入法は、この水を通すルートに、本来患者さんに飲んでいただく下剤を流すことで、胃内視鏡を使って下剤を注入しようという仕組みです。

大腸内視鏡で使用される下剤は、全量で最低1リットルです。これを胃の中に注入すると、流石に胃は一杯に膨れてしまいます。そのため、胃内視鏡で注入する下剤は胃の奥にある、十二指腸で注入します。元々、胃は食べ物を貯めておくダムの役割を担っています。しかし、十二指腸から大腸までは胃のようなダムはありませんので、一気に下剤は腸の中を下っていきます。その洗浄効果は目を見張るものがあります。実際、下剤注入法で腸内を洗浄した後に大腸内視鏡を行うと、大腸の中がつるつるになっています。

「下剤を飲まない大腸内視鏡」の流れは?

適切な鎮静剤使用による安楽な大腸内視鏡

下剤を飲まない大腸内視鏡の流れは、以下の通りです。
まず胃内視鏡を行います。胃の観察をした後に、下剤注入を行います。

胃内視鏡は、口からでも鼻からでも構いません。口からであれば鎮静剤を使用しますが、早く効いて早く覚めるものを使用しますので、胃内視鏡後はすぐに目が覚めます。トイレに行きたくなる頃にはしっかり歩行ができます。鼻からの胃内視鏡では鎮静剤は使用しません。薬剤の投与が少なくなります。

下剤注入に要する時間は、概ね4分程度です。下剤注入をする前に、通常の胃内視鏡観察を行いますので、全体の検査時間は12,3分かかります。
効き目が早く覚めが早い鎮静剤を使用しますので、下剤注入後にはふらつくことなくトイレに行くことができます。院内で経過を見ながら、院内のトイレを使用していただきます。トイレがある程度落ち着いたら、外出していただくこともできます。

下剤注入後、標準的には3〜4時間ほどでトイレがきれいになったら、大腸内視鏡を行います。

大腸内視鏡の流れ

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「下剤を飲まない大腸内視鏡」の成績

  • 2018年9月1日開院~2019年4月30日、97名の「下剤を飲まない大腸内視鏡」(下剤注入法)を提供しました。
  • 受診いただいた方の平均年齢は52.0歳、男性23名、女性74名でした。
  • 全例100%で、胃内視鏡を使用した下剤注入が安全に完了しました。
  • 平均12.1分で、麻酔使用の胃内観察と下剤注入が完了しました。
  • 76.2%で大腸は完全洗浄状態となり、残りの方も大腸内視鏡の挿入と観察が問題ない洗浄状態となり、全例で全大腸内視鏡検査が完了しました。
  • 下剤注入後、平均2時間46分で大腸内視鏡を開始しました。最短では50分でした。(通常の下剤を飲む方法であると、4〜5時間程度はかかります。)
  • 95.8%で不快な症状が全くありませんでした。2名で一時的な吐き気の訴え、2名で少量嘔吐がありましたが、治療の必要はありませんでした。
  • 入院を必要とする、重篤な合併症は皆無、0%でした。

「下剤を飲まない大腸内視鏡」の費用は?

腸洗浄剤注入法による、苦しい下剤服用からの解放

「下剤を飲まない大腸内視鏡」の費用は、保険診療で行う場合、胃内視鏡と大腸内視鏡の合計の保険診療費、及び下剤注入に関連する諸費用となります。
胃内視鏡の保険診療費は、4000〜9000円程度、大腸内視鏡では6000〜19000円程度です。「下剤を飲まない大腸内視鏡」では、両方の診療費が必要です。
これに加えて、下剤注入関連の諸費用(2000円)をいただきます。その内訳は、下剤注入器具の他、使い捨て一回使用の検査着、検査パンツ、マウスピース、スリッパ等です。

夙川内視鏡内科まえだクリニックでは、大腸内視鏡はすべて「下剤を飲まない大腸内視鏡」なのか?

夙川内視鏡内科まえだクリニックでは、もちろん、通常の方法で下剤を飲んでいただく患者さんもいます。下剤を服用できる患者さんは、下剤を飲んで大腸内視鏡に臨んでいただきたいと思います。院内にいる時間が少なくて済みます。下剤注入法は当院が提供できる特徴的な医療サービスの一つですが、義務ではありません。

現在の洗浄剤は、全量で1L程度の服用になり、以前より服用量は少なくなっていますが、洗浄剤の味が合わない 、飲む量が多く苦労される方がまだいらっしゃいます。もし下剤(腸洗浄剤)を飲むことにお困りの方がいらっしゃったら、是非当院にご相談ください。

どこの医療機関でも「下剤を飲まない大腸内視鏡」はできる?また、そのデメリットは?

どこの医療機関でも「下剤を飲まない大腸内視鏡」を受けられる訳ではありません。日本全国でも「下剤を飲まない大腸内視鏡」、当院が提供する下剤注入法を提供する施設はまだ限られています。保険診療では下剤注入法という方法が算定できないこと、また大腸内視鏡用洗浄剤(下剤)は本来患者さん自身が自力で飲むことを想定して製造販売されていることがその原因です。

当院は、この下剤注入法(モビプレップ注入法)を、関西で初めて導入した内視鏡専門施設です。

当院が採用した下剤注入法は、東大病院(現新宿大腸クリニック)の後藤利夫先生らによって、15年前に考案され(当初はマグコロールP注入法、その後モビプレップ注入法)、すでに1万件以上の実績がある方法です。99.4%の大腸内視鏡無痛率を誇る、水浸法と下剤注入法を実践する先進施設、新宿内視鏡クリニックにて院長は直接ご指導をいただき、2018年9月以来ここ夙川苦楽園地区で実践しています。

デメリットとしては、以下のことが考えられます。

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下剤を注入するため胃内視鏡を同日に受けないといけない。
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下剤を注入した後に、大腸がきれいになるまでトイレに何度も行くことになるため、内視鏡検査以外に病院内に滞在する時間が3〜4時間ほど通常の大腸内視鏡検査より長くなる。

水浸法による大腸内視鏡とは

水浸法による大腸内視鏡とは、無痛大腸内視鏡挿入方法の一つです。大腸内視鏡から水を注入しながら大腸の奥へと内視鏡を進めていく方法です。

当院は、つらくない、痛くない内視鏡技術を徹底的に追求しています。その一つの答えとして、東大病院(現新宿大腸クリニック)の後藤利夫先生の開発された水浸法という技術に出会いました。

大腸内視鏡を専門とする内視鏡医として、いかに患者さんに痛みや苦痛を与えずに検査をするかをいつも考えています。自分自身でも体験する必要があると思い、様々な医師に依頼して大腸内視鏡を合計4回受診しています。残念ながら、その中には痛かった思い出もあります。水浸法という大腸内視鏡挿入術は、以下に説明することから腸にやさしい挿入方法であると実感しています。

水浸法のメリットは「痛み」の軽減。なぜ痛くないのか?

水浸法では、なぜ痛くないのでしょうか?この方法では、空気や二酸化炭素を注入する代わりに、約100mlの少量の水を大腸に注入します。透明な水を大腸に注入し、進むべき方向をわかりやすくします。
注入された水によって、大腸と大腸内視鏡との摩擦や抵抗は低くなります。すなわち、大腸内視鏡は滑りやすくなります。このため大腸内視鏡は大腸を伸ばすことなく、スルスルと終点(盲腸)まで到達します。外科や婦人科などの術後や、大腸憩室(けいしつ)などで癒着したり、硬くなったりした、挿入の難しい大腸にも有効な挿入法です。注入した水は終点に到達した後、吸引されますが、大腸を洗浄する役割もあり、病変の観察にも役立ちます。

どこの医療機関でも水浸法はできる?デメリットはある?

どこの医療機関でも水浸法を行なっている訳ではありません。関東の少ない医療機関で取り入れられている方法ですが、関西ではまだ数少ないのが現状です。

当院は、阪神間で初めて、水浸法大腸内視鏡挿入術を導入した内視鏡専門施設です。

欠点としては、水は空気より、注入したり吸引したりするのに時間がかかるため、検査時間が2〜3分ほど長くなる傾向があります。水浸法による大腸内視鏡は、痛みを感ずることが少ないために、鎮静剤なしで行われることもあります。

下剤注入法、水浸法、そして麻酔使用でさらに安楽に

下剤注入法で苦しい下剤内服を回避することができ、さらに水浸法による大腸内視鏡挿入術により、痛みのない検査を受けることができることをお示ししました。
そしてさらにもう一つ、適切に麻酔を使うことで、より安楽に大腸内視鏡を受けていただくことを提案します。

当院で使用する麻酔は、早く効いて早く覚めるものを使用します。検査後にフラフラすることが少ない特徴があります。ただ、麻酔の効き方には個人差があります。念のため、検査当日には、自動車、バイク、自転車など運転はお控えください。

下剤を飲まない大腸内視鏡をご希望の皆様へ

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内視鏡予約前の事前受診をお願いします。インターネット、電話で予約が可能です。メール、電話での問い合わせが可能です。
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当院では、腸閉塞の有無と全身状態を確認するため、検査予約の受診の際に、腹部エコーと血液検査を行っております。
腸閉塞の診断のためには、必ずしも絶食で来院される必要はありません。絶食で来院されると、胆嚢や膵臓がよく観察できることがあります。ご希望の方は、絶食でお越しください。

下剤を飲まない大腸内視鏡の案内

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