経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)

内視鏡内科 消化器内科(胃腸内科)内科

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経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)

経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)

「今度の胃カメラ、楽だった」、患者さんにこう言っていただくと、とても嬉しいものです。
楽な胃カメラ、その一つの提案が、経鼻内視鏡です。胃カメラは、胃の痛みの原因やがんの早期発見のために行う大事な検査ですから、ご自分にあった検査方法を選択して、できるなら気楽な気分で臨んでいただけたら幸いです。皆様の経鼻内視鏡を理解する一助となればと思い、解説します。

経鼻内視鏡とは

経鼻胃内視鏡

経鼻内視鏡とは、鼻から挿入する胃カメラです。狭い鼻を通過できるように、経鼻内視鏡は5mm程度の細さです。機能上は、通常の胃カメラと遜色ありません。経鼻内視鏡の登場は、内視鏡の歴史における大きな進歩でした。もともと医療の世界では、鼻からチューブを通して胃まで到達し、胃液や腸液を吸引する技術がありました。患者さんは、鼻からのチューブをつけたまま、手術までの数日間、数週間をそのまま過ごすことがあります。このチューブを、口から入れると大変な吐き気を催します。決して快適ではありませんが、鼻からのチューブだから、まだ耐えられるのです。これはチューブが、吐き気のもとである、舌の奥(舌根、ぜっこん)に触れないからです。同じ原理で、経鼻内視鏡は開発されました。「胃カメラはキツイ」、悪いイメージを持たれる患者さんが多いのが現状です。少しでも、より安楽に胃カメラを受けていただきたい。当院が経鼻内視鏡を提供する理由です。

当院の経鼻内視鏡検査の特徴

当院の経鼻内視鏡検査の特徴

当院の経鼻内視鏡検査の特徴とは、できるだけ安楽に経鼻内視鏡を受けていただくために、胃の中でミントオイルの散布(胃腸の動きをマイルドにして、吐き気を予防します)を行うことが第一に挙げられます。また径の細い経鼻内視鏡でも効率よく病変を見つけるために、通常の観察を漫然と行うのではなく、色素散布法、酢酸散布法、NBI観察法などの内視鏡観察技術を組み合わせて内視鏡観察を行うことも当院の経鼻内視鏡の特徴と言えます。経鼻内視鏡は細い胃カメラですが、胃がんが疑われたときに組織検査も十分に行うことができます。

      

色素散布法とは

色素散布法とは、一通り胃の中を観察した後、胃全体に青い液体(インジゴカルミン)を散布して、小さいがんを見つける方法です。胃カメラの専門技術では、伝統的な方法ですが、当院では胃の中全体に色素を散布することで、がんの見落としを防ぐようにしています。この青い液体は、光のコントラストをつけて胃の壁の凹凸をはっきりさせる働きがあります。がんは胃の壁の中で、出っ張っていたり、凹んでいたりしますので、光のコントラストがつくと、見つけるのが容易になるという理由です。さまざまな先進技術が胃カメラには付け加えられていますが、現在でも尚、大学病院やがんセンターで多く用いられる方法です。がんの怪しい部分だけ、この色素散布法をするドクターもいますが、当院では胃の中全体に色素散布法をして、小さながんを見落とさないように注意しています。ちなみに、色素散布法で用いる青い液体、インジゴカルミンは、身体に吸収されませんので副作用は起こりません。

酢酸散布法とは

酢酸散布法とは、薄めたお酢を胃内に散布して早期がんの発見に役立てる方法です。薄めたお酢を胃の中に撒くと、がんでない部分は白く、がんの部分は赤く浮かび上がります。これも色素散布法と同じく、検査中に簡便にできますので、がんを見落とさない胃内視鏡をするために当院では行っています。酢酸、すなわちお酢は食品ですので、これも副作用は起こりません。簡便に、色素散布法と酢酸散布法を混ぜて、一気に行ってしまう方法も、検査時間を短くする目的で行っています。

NBI観察法とは

NBI観察法とは、当院が採用する内視鏡システムを開発した、オリンパス社が独自に世界に先駆けて開発した特殊光技術(狭帯域画像強調)で、早期がん発見を促進する技術です。
NBIを簡単に説明します。胃や食道の壁に広がる血管に内視鏡から投射された光が当たります。この時、光の反射の具合によって、色が感じられるというのが、普通の光の感じ方です。この反射した光を細かく分解して、がんに関するものだけ抽出して合成した画像がNBIです。このNBI観察法が最も力を発揮するのが、食道です。食道がんは、NBI観察法では、茶色く映ります。以前は、食道がんを見つけるためにはルゴール液という刺激の強い薬剤を撒いて観察していましたが、その薬剤の強さから、一般的な胃カメラ検査では患者さんの負担が大き過ぎると言われています。クリニックの経鼻内視鏡では、このNBI観察法を必ず行い、食道がんの早期発見に努めています。

経鼻内視鏡と口から入れる内視鏡(胃カメラ)との違い

経鼻胃内視鏡の終わり

経鼻内視鏡と口から入れる内視鏡(胃カメラ)との違いとは、吐き気が起きにくいことです。鼻から胃カメラを挿入することで、吐き気の原因となる、舌根部(舌の根元)に胃カメラが触れなくなることが大きな特徴です。みなさんもどうしても胃の中のものを吐き出したいときに、口からのどの奥に指を突っ込むと、「オエッ」となりますよね。あの部分が舌根部です。口からの胃カメラは、舌根部を通過することで「オエッ」となりやすいため、麻酔(鎮静剤)を使って眠った状態で行うことが多くなりました。経鼻内視鏡では、「オエッ」となりにくいため、麻酔は使わずに行います。麻酔は言わば睡眠薬の注射ですから、検査が終わってからも眠かったり、ふらふらしたりすることがあります。お帰りになる前にしばしの休憩が必要です。経鼻内視鏡では、この休憩が要りません。検査が終わったら、説明を受けて、すぐにお帰りいただけます。

内視鏡検査とバリウム検査の違い

内視鏡検査とバリウム検査の違い

内視鏡検査とバリウム検査の違いとは、微細な凹凸構造と色彩を判別する能力の違いと言えます。胃がんや食道がんは一般に血管が多いことから、赤く見えることがほとんどです。内視鏡ではこの色彩をはっきりと観察することができます。バリウムは白黒の画像ですので、色彩の違いを見分けることはできません。微細な凹凸構造、かすかな凹凸の違いが早期がん発見の決め手となります。この微細な構造は、バリウムでもある程度まで表現することができますが、造影剤のたまり方によりムラがでるため、小さな病変があっても検出することができないことがあります。
また、内視鏡では疑わしい病変があったときには、即座に組織検査を行うことができます。バリウムの場合は組織検査ができないため、後日内視鏡検査を行って組織検査を行う必要があります。

経鼻内視鏡検査のメリット

経鼻内視鏡検査のメリットとは、口からの経口内視鏡と異なり、吐き気などの不快な感覚が少ないことです。これは舌根部(舌の根元)に内視鏡が触れずに出し入れすることができることにあります。近頃の経口内視鏡では、吐き気などの不快な感覚を低減するために、鎮静剤や麻酔などの薬剤投与を行うことが多いですが、経鼻内視鏡では鎮静剤や麻酔を行うことはありません。薬剤の投与がないため副作用の懸念はありません。また鎮静剤投与では、投与後にふらつきや注意力低下などの副作用が出てくることがあるため、自動車やバイクなどの運転を検査当日は禁止されますが、経鼻内視鏡では禁止する必要がありません。検査後にすぐに検査の説明を受けて帰宅することができるのもメリットの一つです。

経鼻内視鏡検査の注意点

経鼻内視鏡の注意点とは、経鼻胃内視鏡に向かない患者さんもいらっしゃることです。経鼻内視鏡が鼻を通過しない方は、どうにもなりません。
例えば、鼻づまりのひどい方です。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の患者さんに多いようです。鼻づまりとは鼻の粘膜すなわち壁が腫れていて、空気が通りにくくなった状態です。空気が通りにくいのですから、経鼻内視鏡も通りにくい訳です。鼻がもともと曲がっている方も、経鼻内視鏡には向きません。鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)といいます。鼻が曲がっていると、経鼻内視鏡を鼻に通した後、鼻の中のどこかに内視鏡が強く接触します。内視鏡は、押したり引いたり、捻ったりと、胃の壁を観察するために鼻の中で動きます。鼻の中の抵抗が大きいと、痛みを感ずる元となります。
このような症状をお持ちの方には、経鼻内視鏡はお勧めしません。鼻血や鼻の痛みなどにつながる恐れがあります。

当院の経鼻内視鏡検査の進め方

当院の経鼻内視鏡検査の進め方とは、一口に、デリケートな鼻を通過する検査であることを常に意識し、検査をできるかぎり安楽に受けていただくための工夫を集めたものです。
まず、鼻血と痛みを予防する処置(点鼻薬とスプレー薬)を行います。歯科で抜歯する際に使われる局所麻酔薬、キシロカインにアレルギーや副作用歴のある方はお申し出ください。
次に、鼻腔拡張スティックを鼻に挿入します。柔らかなビニール製のスティック(6㎜径)にキシロカインゼリーを塗り込んだものを鼻の中に入れます。
鼻腔拡張スティックを抜いた後、経鼻内視鏡を開始します。私は内視鏡検査をしながら患者さんに説明など話しかけますので、何か気になることがあれば遠慮なくお声をかけてください。

経鼻内視鏡検査中にミントオイル(ハーブの一種)を胃に散布します。ハーブの効能は、精神や気分の高まりをマイルドにする、ということは良くご存知と思います。ミントオイルには、胃腸の動きをマイルドにし、吐き気を抑える働きがあると報告されています。
急激に内視鏡の出し入れをすると鼻血や痛みにつながりますので、ゆっくりやさしく内視鏡操作を行います。もし痛みや違和感があるときは遠慮なく仰ってください。


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